山一面がピンクに染まる。
初夏の平治岳とミヤマキリシマを歩く。
去年の久住山で見た、ガスの中に揺れるピンクが忘れられなかった。ミヤマキリシマ——九州の高山にしか咲かない、初夏だけの特別なツツジです。くじゅうの中でも、一番美しいと言われる平治岳へ。
2026年6月上旬、ソロでくじゅう連山の平治岳(ひじだけ)を目指しました。

前日は宝泉寺温泉の「はんなりおやど 龍泉閣」に宿泊。風情ある温泉郷を歩きながら、川辺で蛍を眺めたり、足湯を楽しんだりと、心穏やかな時間を過ごしました。


宿の露天風呂で翌日の山行に向けて身体を整え、翌朝、早朝の静けさの中を出発しました。
賑わう早朝の男池登山口

宿から30分ほどの男池登山口には、午前6時前に到着。約190台収容の駐車場は、すでに満車に近い状態でした。駐車場近くにトイレがあります。登山口で清掃協力金100円を料金箱へ納め、期待を胸に歩き始めます。(係員がいない時は、設置されている料金箱に投入するようになっています)

この日は真夏日を思わせる暑さ。火山灰由来の特殊な土壌で、黒土(黒ボク土)が滑りやすく、露出した根っこが絡み合う独特の路面が続きます。長く続くブナや杉の樹林帯を、足元に注意しながら進んでいきました。

根っこがスゴいですね!
幸せを呼ぶと言われる青い鳥と、山での出会い

ソババッケの湿地帯で、木のてっぺんを見上げている方に「何を見ているんですか?」と声をかけてみました。「オオルリですよ」との答え。幸せを呼ぶと言われる青い鳥、オオルリですが、残念ながら私の目には姿を捉えることができませんでした。
ここからの急登では、関東から来られたグループの方々と意気投合し、ご一緒させていただくことに。ソロの静けさも好きですが、誰かと楽しくお話ししながら登ると、不思議と足のキツさも和らぎます。こうした一期一会の出会いも、登山の楽しみの一つです。
ピンクの絨毯が広がる「大戸越」の感動

やっとの思いで到着した大戸越(おおとごし)。視界が開けた瞬間、周囲から「お〜!」と歓声が上がりました。右手に広がるのは、見渡す限りのピンク色の絨毯。あの瞬間の感動は、今でも忘れられません。

山頂に向かう途中にある景色。大好きな三俣山。見惚れてしまいます♡
ミヤマキリシマのピークとあって、ここから山頂付近の登山道は大渋滞。登り専用と下り専用のルートがあるのですが、道幅が狭く、登頂までに1時間ほどかかりました。


山頂から眺めるくじゅう連山は、まさに絶景でした。個々の山ではなく、連なる峰々がひとつの景色として広がる。くじゅうってこんなに美しいんだと、改めて感じた瞬間でした。

大戸越まで戻り、グループの方々と景色を眺めながらの食事。これ以上の贅沢はありません。皆さんが飛行機の時間に合わせて下山された後、一人残った私は「まだ帰りたくない……」と、後ろ髪を引かれる思いで山を後にしました。
山後のご褒美:名水百選「男池湧水群」
下山後は、登山口のすぐそばにある「男池湧水群」へ。ここは名水百選にも選ばれており、驚くほど透明度が高いんです。

この写真、一見するとただの地面に見えるかもしれませんが、実は池の底。水が透き通りすぎていて、底がそのまま見えているんです。口当たりが柔らかく美味しいお水を、帰りに汲んで帰りました。
黒岳珈琲でホッと一息
登山口を出たところにある「黒岳珈琲」にも立ち寄りました。こちらでは、男池の湧水で淹れたスペシャリティコーヒーをいただくことができます。名水で丁寧に淹れられた一杯は、疲れた体にじわ〜っと染み渡りました。
この日の一枚

この日着ていたのは無印良品の「風を通す半袖布帛ポロシャツ(メンズS)」。登山用ではありませんが、通気性と吸水速乾性があり、普段使いもできてコスパ抜群です。登山を始めてみようと思っている方には、手に取りやすい一枚だと思います。
この日に選んだ相棒

今回の山行を支えてくれたのは、ミニマルなデザインとタフさを兼ね備えた「holoオーブLX-PAC」です。本当に必要なものだけを背負って歩く。その軽やかさが心のゆとりとなり、目の前の絶景をより鮮やかに心に届けてくれた気がします。
コースタイム

これから平治岳を目指す方の山行が素晴らしいものになりますように…
それでは、また次の山で。