立山黒部アルペンルート2泊3日の旅
(富山・黒部峡谷編)
誰かと分かち合う感動は、
きっと倍になる。


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山の景色は、一人で見ても深く心に残る。 それでも今回の旅で気づいたのは、「誰かと同じ瞬間を見ている」ということが、思っていた以上に記憶を変えるものだった。

そんな想いを胸に、山友達と2人で向かった立山アルペンルート2泊3日のツアー。 それは、真っ白な雪の世界を歩く大冒険であると同時に、思いがけない人の温かさに触れる、心ほぐれる旅でもありました。

この記事では1日目の富山散策と3日目の黒部峡谷を中心にご紹介します。2日目の立山・雪の大谷はこちらの記事でたっぷり綴っています。

2泊3日の行程

移動・宿・食事がパッケージされたツアーで参加しました。1日目の富山市内は、ホテルに荷物を預けたあとの自由時間に個人で観光しました。

行程
1日目九州 →〈新幹線のぞみ〉→ 新大阪駅〈乗換〉→〈特急サンダーバード〉→ 敦賀駅〈乗換〉→〈北陸新幹線〉→ 富山駅 →〈タクシー 1km〉→ ホテルへ(荷物を預けて自由時間)→ 富山城 → 日枝神社 → 富山市ガラス美術館 → スターバックス富山環水公園店 → 夕食:郷土料理「くろべ」→ 泊:富山マンテンホテル
2日目ホテル →〈貸切バス 31km〉→ 立山駅 →〈立山ケーブルカー〉→ 美女平 →〈立山高原バス〉→ 室堂(散策・お弁当の昼食)→〈立山トンネル電気バス〉→ 大観峰 →〈立山ロープウェイ〉→ 黒部平 →〈黒部ケーブルカー〉→ 黒部湖 →〈徒歩・ダムの堰堤散策〉→ 黒部ダム →〈関電トンネル電気バス〉→ 扇沢駅 →〈貸切バス 43km〉→ 泊:リゾートインマリオンシナノ
3日目ホテル →〈貸切バス〉→ 宇奈月駅 →〈黒部峡谷鉄道トロッコ列車〉→ 猫又駅 →〈トロッコ列車〉→ 宇奈月駅 →〈貸切バス 52km〉→ 立山あるぺん村(昼食)→〈貸切バス 77km〉→ 金沢駅 →〈北陸新幹線〉→ 敦賀駅〈乗換〉→〈特急サンダーバード〉→ 新大阪駅〈乗換〉→〈新幹線のぞみ〉→ 九州

1日目:日常を離れ、
水の都・富山へ

旅の始まりは、九州から。 新幹線が加速するにつれ、見慣れた景色が遠ざかり、心が旅のモードへと切り替わっていくのを感じます。

新大阪駅での短い乗り換え時間。駅構内のお惣菜店で見つけたのは、少し珍しい「タココロッケ」でした。サクッとした衣の中から現れたのは、たこ焼きの具材たち。そんな意外性のある優しい味わいに、旅先で最初に出会う「小さなお楽しみ」をもらったようで、なんだか嬉しくなりました。

新大阪のタココロッケ

特急サンダーバードに乗り換え、さらに敦賀駅で北陸新幹線へと繋ぐ乗り継ぎリレー。敦賀駅は駅舎の高さが日本一と聞いて、思わず周囲を見渡してしまいます。ちょうど大阪万博の熱気が迫る時期。公式キャラクターのミャクミャクが万博のワクワク感を一足早く運んでくれているようで、思わずパチリ

敦賀駅のミャクミャク

富山駅に降り立ったのは、午後2時過ぎのこと。気づけば7時間ほどが経過していた長旅でした。 今夜の宿「富山マンテンホテル」に荷物を預け、夕食までのフリータイムを使って、富山駅周辺の街を歩いてみることにしました。

富山マンテンホテルの詳細はこちら →

神通川の記憶をたどる
「富山城」

富山城

駅から路面電車が走る街並みを少し歩くと、緑豊かな城跡公園が見えてきます。そこに佇むのが「富山城」です。かつてはこの城のすぐ周りを神通川(じんづうがわ)が流れていて、水面にその姿が浮かんでいるように見えたことから「浮城」と呼ばれていたそう。今は形を変えてしまっても、かつてここが豊かな水の都だったという歴史の記憶が、静かに胸に響きます。

千歳御門

江戸時代の息吹を今に伝える千歳御門(ちとせごもん)をくぐれば、部分的に残る当時の石垣が、何も言わずにそこにありました。時の流れの重みをじんわりと感じながら、いただいた切り絵の御城印。伝統工芸である「越中八尾和紙」の深い黒に、金の箔押しが映えるその重厚感は、富山の歴史が持つ力強さそのものでした。

富山城 御城印

街の暮らしに寄り添う
「日枝神社」

富山城からさらに南へ、歩いて10分ほどの場所にあるのが、地元の人々から「山王さん」の愛称で親しまれている「日枝神社」です。境内に入ると、自分の干支をそっと撫でるとご利益があるという「干支石像」が並んでいました。ちょこんと佇む愛らしい姿に、長旅の緊張が解けていくような気がします。ここでも、旅の安全を願いながら美しい御朱印を拝受しました。

日枝神社 干支石像
日枝神社日枝神社 御朱印

光と木が織りなす
「富山市ガラス美術館」

富山市ガラス美術館 外観

神社からほど近い場所に現れる、一際目を引くきらびやかな建物。御影石やガラス、アルミが複雑に組み合わされ、これから向かう立山連峰の「氷の岩脈」を表現しているという、モダンな建築です。一歩足を踏み入れれば、富山県産の杉の木がふんだんに使われた巨大な吹き抜けが広がり、木の温もりと開放感に包まれる特別な空間でした。

常設されている巨匠デイル・チフーリ氏の空間芸術は、言葉を失うほどの美しさ。鮮やかで、でもどこか儚いガラスの光を眺めていると、日常の雑音がすーっと消えていくようでした。

デイル・チフーリ 作品デイル・チフーリ 作品

小雨が教えてくれた静寂
「スターバックスコーヒー
富山環水公園店」

市街地から少し移動して、美しい運河が広がる富山環水公園へ。ここには「世界一美しいスタバ」と呼ばれる店舗があります。テラス席に座れば、遮るもののない運河と美しい天門橋が一望できる、まさに奇跡のようなロケーション。この日はあいにくの小雨模様で、期待していた立山連峰のパノラマはお預けでした。けれど、しっとりと濡れた運河を見つめながらテラスでソイラテを啜る時間は、晴天の日よりもずっと静かで、豊かなものに感じられました。

スターバックス富山環水公園店富山環水公園 運河と天門橋

夕食の時間が近づき、今日の観光はここまで。 ホテルに隣接する郷土料理店「くろべ」での夕食。 和食膳に並ぶ富山の地魚はみずみずしくて本当に美味しかったのですが、気がつけばお喋りに夢中で、ついつい写真を撮り忘れてしまいました。

でも、それもそのはず。テーブルを囲んだのは、同じツアーの参加者の皆さん。 「どこから来られたんですか?」「明日の雪、楽しみですね」 そんな他愛ない会話から、ツアー仲間との心の距離がぐっと近づいていくのを感じました。ただの観光客同士が、同じ絶景を待つ「仲間の顔」に変わっていく温かい夜。 食後、ホテルの展望大浴場でゆったりと湯船に浸かりながら、明日出会う白い世界へ、静かに期待を膨らませていました。


2日目:そして翌日、景色は一気に別世界へと変わった。雪の大谷、みくりが池、そして扉を開けた瞬間に思わず足が止まった大観峰――その感動の記録は、この記事でじっくり綴っています


3日目:瑞々しい峡谷を
走り、旅の終わりを惜しむ

この日はバスで富山の奥座敷、宇奈月駅へと向かいました。

黒部峡谷鉄道 宇奈月駅

3日目のメインイベントは、黒部峡谷鉄道のトロッコ列車です。昨日までの、あの厳しくも美しい雪の山々とは対照的な、緑豊かな山肌と、どこまでも青く澄んだ川の流れ。窓のない吹き抜けのオープン客車を通り抜ける風は、少し肌寒いけれど、それがかえって「私たちは今、大自然の腕の中に飛び込んでいるんだ」という確かな実感を与えてくれます。

黒部峡谷トロッコ列車からの景色黒部峡谷トロッコ列車からの景色

実はこの旅行、当初は4月下旬に予定していました。 けれど、この年は雪が深く、予定していた「猫又駅」まで列車が運行できないという連絡を受け、この時期へとスケジュールを変更した経緯があります。自然の都合に、自分たちの都合を合わせていく。不便ささえも愛おしく思えるのが、山の旅の醍醐味かもしれません。

列車はゆっくりと進み、猫又駅に到着しました。ここは日本で唯一、駅名に「猫」の文字が入る秘境駅。駅に降り立ち、準備されていた肉球手袋をはめて記念撮影。

猫又駅 肉球手袋で記念撮影

「色々あったけれど、無事にこの列車に乗れて、この景色を見られて本当によかったね」 友人と交わしたその言葉に、この3日間のすべてが凝縮されている気がしました。

旅の締めくくりは、「立山あるぺん村」での昼食。ほっこり温まる釜めし御膳をいただきました。その後は、初日に一目惚れしたホタルイカの沖漬けや白えびせんべい、甘金丹(カスタードまんじゅう)などを買い込み、溢れんばかりの思い出とともに帰路に就きました。

立山あるぺん村 釜めし御膳

この旅に選んだ相棒

今回の旅をともにしたのは「holoオーブLX-PAC」。比較的荷物が軽いときに使いやすく、登山だけでなく旅行にもぴったりのザックです。シンプルなデザインなので、山はもちろん街なかでも浮きません。

今回のように標高差が激しく、天候も不安定な旅では、軽量防水という安心感が何より心強い。必要なものだけをミニマルに背負って歩く——その軽やかさが心のゆとりとなり、目の前の白銀の世界をより鮮やかに心に届けてくれた気がします。

holoオーブLX-PAC

このギアの詳しいレビューはこちら→

移動も、宿も、食事もパッケージされたツアー。最初は「自分ですべて手配するのが大変だから」という理由で選んだツアーでしたが、最後に心に残ったのは、ツアーの皆さんと分かち合った「すごいね」という言葉や、食事中の温かい笑い声でした。 一期一会の出会いが、あの壮大な絶景をより一層、記憶の中で輝かせてくれる。

季節、天気、そして一緒に笑い合った仲間たち。すべてがその日、その瞬間だけの「一山一会」。ひとりでは見えなかった景色が、確かにそこにありました。