富士山・山小屋1泊2日
50代ソロ登山のリアルな装備と
出番のなかった安心装備
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2026年8月下旬、吉田ルートを山小屋1泊2日で登ってきました。2日間の行動時間はあわせて約13時間半。50代・ソロ、ガイドなしのフリーツアーでのチャレンジです。
準備中、何度も持ち物リストを眺めては「これって本当に使うのかな?」と悩みました。リストに載っていても、実際に山上で役立つかどうかは別物だからです。
この記事では、私が実際に持っていったすべての装備をご紹介します。何をどう着てどう使ったのか、そして持っていったのに使わずに終わったものについても、実感を込めてお伝えします。
持っていったもの一覧
まずは全体のリストです。各アイテムを選んだ理由や使用感は、このあとの項目で詳しくお話ししますね。 (※「★」がついているものは、持っていったものの使わなかったアイテムです)

この写真は出発前の7月に撮ったものです。あとから足したエマージェンシーブランケットは写っていません。逆に、写っているのに持っていかなかったものもあります(目隠しポンチョと膝のサポーター)。この時点から本番までに何を変えたかは、あとの項目に書きました。
服装・着替え
- モンベル ドライレイヤー(1日目)
- ファイントラック ブラ(1日目)
- ファイントラック ブラ付きタンク(2日目)
- ファイントラック ドラウトクアッド ロングスリーブ(長袖・メンズ)
- フリース(パタゴニア R1エアジャケット キッズ)
- レインジャケット(ミレー ティフォン50000ストレッチジャケット)
- ダウンジャケット(モンベル ライトアルパインダウンパーカー)
- タイツ
- ズボン(ノースフェイス バーブライトスリムパンツ)
- レインパンツ(モンベル レインダンサーパンツ)
- 手袋3種(モンベル クールグローブ/モンベル ドライテックレイングローブ/発熱軍手)
- 着替え(2日目用ドライインナー・ショーツ)
- 靴下の替え
- キャップ(ミズノ×イルビゾンテ・ゴアテックス・1日目用)
- ニット帽(マウンテンハードウェア・2日目用)
- ★ダウンパンツ(ワークマン リペアテック洗えるフュージョンダウンライトパンツ・中綿。山頂でご来光を待つ時間が短く、寒くならなかったため)








ザック
- MYSTERY RANCH クーリー30
- マムート ボトルホルダー
- パーゴワークス スナップ
- ★ザックカバー(雨が降らなかったため)
靴
- ALTRA ローンピーク8(これで登り切りました!)
- ★キーン トレッキングシューズ(雨天予備用に背負っていきました)


靴が2足あるのは、ローンピークが防水ではないからです。雨が降ったときのためにキーンを背負って、山頂まで持っていきました。結局、一度も履き替えていません。そこに至った経緯と、これをおすすめしない理由は、あとの「靴選びの試行錯誤」に書きました。
明かりと電源
- ヘッドライト(モンベル マルチヘッドランプ ネイチャーガイド)+予備の乾電池
- ランタンシェード(モンベル クラッシャブルランタンシェード)
- モバイルバッテリー
日差しと砂から守るもの
- サングラス(グダー 偏光レンズ)
- フェイスカバー(ヤケーヌ 目尻プラス 耳カバー付)
- ゲイター(モンベル ゴアテックスタイトスパッツ セミロング)
- 手ぬぐい
安全のために持つもの
- ファーストエマージェンシーキット(絆創膏、大判絆創膏、ガーゼ、3M靴ずれ防止テープ、日焼け止め、常備薬)
- エマージェンシーブランケット
- ココヘリ発信機
そのほか行動中に使うもの
- ストック2本
- サコッシュ(軽量タイプに変更)
- 防水財布
- ウェットティッシュ
- フリーザーバッグ(荷物の小分け・防水・ゴミ袋用)
- ★簡易トイレ(登山道にトイレが点在していて、そのつど使えました)
- ★トイレットペーパー(トイレ以外にも、鼻をかんだり手を拭いたりに使うのですが、今回はたまたま出番なし)
- ★キャップクリップ(1日目は風がそこまで強くなかったため)
- ★防水スマホケース(雨が降らなかったため)
山小屋で使うもの
- 耳栓
- アイマスク
- マスク(乾燥対策)
- ボディーシート
- クレンジングシート
- 化粧品
食べもの・飲みもの
- アミノバイタル ゼリードリンク
- リポビタンゼリー
- 塩分タブレット
- アミノバイタル プロ(顆粒)
- 水・スポーツドリンク
- 行動食(自分好みの好きなお菓子)

富士山の服装|
体感温度に合わせた
3段階のレイヤリング
8月下旬の吉田ルートは、同じ1日の中でも気温が劇的に変化します。私は「日中」「深夜」「山頂」の3つの場面に分けて調整しました。持っていった服はこの8点です。
1|日中(五合目〜山小屋):強い日差しの中は長袖1枚で

太陽が近く感じられるほど日差しが強く、長袖1枚でもじわっと汗ばむ気候でした。メインに着たのはファイントラックのドラウトクアッド ロングスリーブです。
肌に一番近いインナーは、1日目と2日目で工夫を変えました。発汗量が多い1日目は「モンベル ドライレイヤー + ファイントラック ブラ」の組み合わせ。2日目は汗冷えを防ぐため「ファイントラック ブラ付きタンク」を選びました。
強烈な紫外線対策も必須です。ウェアのUVカット機能に頼りつつ、顔にはしっかり日焼け止めを塗り、ヤケーヌとサングラスで防御しました。
かぶっていたのは、ミズノとイルビゾンテのコラボのキャップです。ゴアテックスなので雨に強いという理由で選びました。今回は降らなかったので、その出番はありませんでしたが。
2|深夜〜御来光館:冷たい強風には重ね着で挑む
深夜、山小屋を出発する時はしっかり防寒対策を整えました。
上半身:ドライレイヤー + 長袖 + フリース + レインジャケット
下半身:タイツ + ズボン + レインパンツ

気温自体は13度ほどありましたが、とにかく外は激しい強風!風を受けると体感温度が一気に下がるため、レインウェアを風よけとして重ね着してもしのび寄る寒さを感じました。
帽子は、2日目だけニット帽に替えています。これは持っていってよかったものです。キャップのように風の抵抗を受けず、そのうえ暖かい。強風の中では、この差が大きく出ました。
3|山頂:ご来光待ちの寒さにはダウンジャケットを


山頂の冷え込みはさらに厳しく、レインジャケットだけでは太刀打ちできませんでした。そこでレインジャケットを脱ぎ、モンベルの「ライトアルパインダウンパーカー」へチェンジ。フードをかぶり、ニット帽とフェイスカバーも重ねて、ようやくしのげる寒さでした。
今回ダウンパンツまでは履かずに済みましたが、ご来光を待つ時間が長い時は、持っていっても損はないと感じます。
ザック選びと中身の防水アイデア

相棒に選んだのは「ミステリーランチ クーリー30」。1泊2日の全装備と、行動中にすぐ取り出したい荷物がちょうど綺麗に収まる頼もしいサイズ感です。
ショルダーハーネスには、頻繁に使う小物をすぐ取り出せるようパーゴワークスのスナップを取り付け、水分の補給がスムーズにできるようマムートのボトルホルダーも追加しました。
ザック自体(約1.2kg)を含めて総重量は約7kgになりましたが、しっかりとした腰ベルトが荷重を分散してくれたおかげで、肩も腰も痛むことなく歩ききれました。
荷物の防水は、大小のフリーザーバッグで小分けにする方法をとりました。雨が降らなかったのもあり、用意していたザックカバーは使用しませんでした。
持っていって
本当に助かった装備
実際に歩いてみて、心から「持っていてよかった!」と痛感したアイテムたちです。
ヘッドライトと予備のモバイルバッテリー
深夜の登山中、ヘッドライトに入れていた充電池が切れました。乾電池でも動くので予備を持っていたのですが、足場の悪い岩場の途中で、その場では交換できません。仕方なくスマホのライトで足元を照らしてしのぎました。それができたのは、モバイルバッテリーをすぐ取り出せる場所に入れていたからです。


写真の右側に写っている白い袋は、モンベルのクラッシャブルランタンシェードです。ヘッドライトの収納袋になり、かぶせればランタンにもなります。超軽量なので、これひとつ持っておくと荷物が増えません。
電池切れは、交換できる場所で起きてくれるとはかぎりません。予備を持っていくことと、それをすぐ使える状態にしておくことは別だと、身に沁みました。
しっかりした手袋
山小屋を出た瞬間から吹き荒れる突風。手を保護する手袋が必要です。ゴツゴツした岩場に手をつくシーンも多いため必須アイテムです。日中はクールグローブ、冷え込む夜間は発熱軍手とレイングローブを重ねて使いました。防風・厚手タイプを準備しておくことを強くおすすめします。
サングラスとフェイスマスク(ヤケーヌ)下山道は細かい砂利と砂の世界です。強風が吹くと粒子の細かい砂が舞い上がり、あっという間に身体中が砂まみれに……。目や口を守るグダーのサングラスとヤケーヌがなければ、下山は相当つらい修行になっていたはずです。
ゲイター(スパッツ)下山道の砂利が靴の中に入るのを防ぐため、下山の入り口で装着。今回履いたローンピーク8はフラットシューズなので、手持ちのモンベル製ゲイターとは本来相性が良くないのですが、ベルトも切れずしっかり靴を砂から守ってくれました。





トレッキングポール(ストック2本)
歩きやすい平地では2本使って体力を温存。岩場が始まる花小屋以降は、安全のため手を空けられるよう1本に減らしました。コースの状況に合わせて柔軟に本数を変えると快適です。
山小屋泊のリアルと、
一番役立った意外な「万能選手」

今回お世話になったのは、八合目の「蓬莱館」(標高3,150m)。室温は18度ほどあり、毛布付きの寝袋が用意されていたため寒さの心配は一切ありませんでした。
- 耳栓:持参したものの、ダイレクトに響く周りのいびきや物音を防ぎきれず、正直効果は薄かったです……。
- 着替え:カーテン付きの更衣室があったので安心して着替えられました。
- ボディーシート:お風呂に入れない山小屋で、身体をサッパリ拭くのに大活躍。
- マスク:換気システムで外気が入るため室内が乾燥します。寝ている時にくしゃみが出たので、喉の保湿用にマスクを付けて寝るのがおすすめです。
- アイマスク:消灯後も完全な真っ暗にはならないため、持って行って正解でした。
そして、今回の登山で「持っていってよかった大賞」をあげるなら、間違いなく手ぬぐいです!
普段は汗拭き程度にしか使っていませんでしたが、富士山ではマルチに活躍する万能選手でした。登りではネックゲイターや日よけになり、山小屋では首や顎に巻いて寝具が直接顔に触れるのをガード。万一の怪我の際には包帯代わりにもなります。
かさばらず軽量で、何役にも化けてくれる手ぬぐい。絶対に1枚持っていくことをおすすめします!
行動食と塩分補給|
7月の計画から変更した理由
当初はプロテインバーを予定していましたが、直前で「アミノバイタルのゼリードリンク」へ変更しました。
高所で食欲が落ちてしまった時のことを考えると、固形物よりもゼリー状のほうがスルッと喉を通り、水分補給も兼ねられると考えたからです。
あわせて塩分タブレットと、軽量で持ち運びやすいアミノバイタルプロ(顆粒)も持参。アミノバイタルを飲んでおくと、翌日の疲労感がぜんぜん違う気がします。

直前で準備から省いたもの・変えたもの
- 目隠しポンチョ:山小屋(蓬莱館)に更衣室があったためカット。
- 軽量シート:寝袋の下に敷く予定でしたが、手ぬぐいで十分代用できたためカット。
- 膝のサポーター:「念のため」を足していくときりがなく、そのぶんザックが重くなるためカット。
- サコッシュ:とにかく軽量化したかったため、手持ちの中で一番軽いものに変更。
- 行動食:プロテインバーからアミノバイタルのゼリードリンクへ。
- エマージェンシーブランケット:フリーツアーでの参加だったため、お守り代わりの保険として追加。
靴選びの試行錯誤|
履き慣れた足元が一番の味方
本当はミドルカットで登るつもりでしたが、新しく買ったキーンが足に合わず、履き慣れた「ALTRA ローンピーク8」で登りました。防水ではないので、雨のときのためにキーンを予備で背負い、結局一度も履き替えていません。
私はやむなくローカットを使用しましたが、おすすめはできません。疲れてくると足首に力が入らなくなります。とくに初心者の方こそ、ミドルカット以上が安心です。
靴とザックは、自分の足と身体に馴染んだものを選ぶことが何より大切です。レンタルという手もありますが、靴だけは履き慣れたもので臨んでほしいと思います。
もしも次に登るなら、
絶対に追加したいアイテム
次回挑戦するなら、迷わずノイズキャンセリング機能付きイヤホン(またはホワイトノイズを流せるイヤホン)を持っていきます。
山小屋で一睡もできなかった原因は、耳栓をすり抜けてくる周囲の音でした。標高3,150mの山小屋で眠れないまま、深夜1時にアタック開始するのは体力的にかなりハードです。睡眠環境は文明の利器に頼って解決するのがスマートだと実感しました。
おわりに

振り返れば、背中のザックに詰めていたのは、ただの道具や服ではなく、「無事に帰ってこられるだろうか」という少しの不安と、小さなお守りたちだったのかもしれません。
風の冷たさに重ねたレイヤリングも、砂嵐から守ってくれたサングラスも、闇の中で頼りになった予備のバッテリーも。ひとつひとつの装備が、私を山頂へと連れて行ってくれました。
「持って行ったけれど使わなかったもの」すらも、きっとあの時の私には必要な『安心』という名のギアだったのだと思います。
富士山は、一度として同じ表情を見せてくれません。だからこそ、自分の足と身体に寄り添う「これだ」と思える装備を揃えてほしい。
あなたの背負うパックが、山の上であなたを優しく守るパートナーとなりますように。
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